側弯症手術をしてから一年が経過しました。
先日2か月ぶりに通院して来ましたが、レントゲンで背骨の角度を見るためだけのための通院という感じです。

一年と言うのは一つの区切りでもありますので、ここで一度総括したいと思います。

1)側弯症手術をするに至った経緯
・20歳代から次第に背骨がS字に曲がり始め、50歳代でコブ角30度前後にまで進行。それに伴って、慢性腰痛も次第に酷くなる。
・角度的には手術が必ずしも必要では無かったが、他病院で撮った5年前のレントゲンと現状を比較し、明らかに進行している事を確認。
・先生から「このままでは老後一気に進行してしまう可能性がある」との指摘を受け、湾曲と腰痛の進行を断ち切るために、手術を決断。

2)手術後の経過
・手術後12日で退院。
・退院後はとにかく腰痛が酷く、腰が常に痛い状態は約7か月続く。
・その後、腰痛は弱くなり、通常生活ではそれほど苦にはならなくなったが、立ち仕事や歩く事、寝た状態によって強い腰痛が起こる。
・手術後の背骨の状態は右に傾いた状態になってしまい、それが要因となって腰痛が起こっている。
・先生の見立てでは、「思いがけず、下から2番目の腰椎の椎間板が開いてしまい、右への傾きが起こってしまった」との事。

以下、術前と術後の背骨の状態の比較です。

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並べた状態では分かりにくいので、GIFアニメにしたのが下の画像です。
腰骨の角度と大きさや位置を統一してあります。手術直後に比べて、今現在の傾きが僅かに持ち直しているのが分かりますが、大きく右傾きの状態には変わり在りません。

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下のレントゲンは、今現在のもので、骨盤の平行を合わせて、どのぐらい固定された背骨が傾いているのかを表したものです。★の部分が先生の予想に反して「開いてしまった」部分です。背骨が曲がらなくなったので、ここだけに負荷がかかり、腰痛を引き起こしているものと思われます。

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この手術が成功だったか失敗だったかはまだ分かりませんが、脊椎の右傾きの為に、一年経った今、腰痛は手術前と変わらない状態です。背骨を固定しているので、手が届かなくて不便を強いられる事も多く、手術前に比べて、QOLは明らかに低下していると思います。

ただ、それだけを見て「成功、失敗」の判断はできません。手術をしなかったら、老後もっと酷い事になった可能性もあり、その辺は10年ぐらい様子を見ないと分からないかも知れません。
もし、10年後に手術をした事を後悔するような事態になっていた場合の選択肢は2つあります。

1)開いた椎間板を狭める為に再手術をして、もう一つ下の腰椎まで金属で固定する。ただし、それをすると、更に背骨の自由度が無くなるので、生活に支障が出る。

2)背骨が真っすぐに固定されているために、腰椎の一部だけに負荷がかかり、腰痛を引き起こしているので、背骨を固定しているチタンのロッドとスクリューを全て撤去して、背骨の柔軟性を取り戻す。ただ、背骨の固定を撤去するという事は、また側弯症に戻る可能性もある。

どちらを選んでも、また大きな手術をする事になりますし、それをする事で腰痛やQOLが改善するという保証もありません。とにかく、今は「様子見生活」をするしかありません。